人生を歩んでいく中で、自身に好感を持った人間がついてくる事がある。
彼らは、私の事をもっと知りたいらしい。
結末から行って、半数以上が居なくなった。
彼らは一体、私の何を知りたかったのか。
わからない。
ただ一つ言える事がある。
私は彼らの期待に答える事が出来なかった。
それだけは。
ただ残酷に正解のSEを鳴らす。
昔からそうだった。
私が何かを提示すると、それに賛同した人物が自分の事をもっと知りたいと寄って来る。
だが、結果は述べたとおり。
ほとんどは、僅かな日数で私の前から姿を消す。
私は、もっと自分を知ってもらいたかっただけなのに。
提示した物に賛同してくれたのなら、私は彼らに自分自身への賛同を求める。
あるいは。
他の物を提示してみる。
違う。
きっと違う。
そうなんだ。
結局のところ。
彼らが求めているのは他の面を持つ私じゃない。
他の物を提示する私じゃない。
ワタシジャナイ。
彼らが求めているのは、彼らの興味を引いた際の私。
彼らが気に入る物を偶然提示した時の私。
それ以外は眼中にない。
だから私は彼らの気に入りそうなものを再び提示した。
喜んでくれた。
でも。
私が彼らに正面を向ければ、一方からは私の背中が写ってしまう。
違う。
これは一時的。
今度は君達の気に入る物を提示するよ。
…。
居なかった。
一方に顔を向けるともう一方には背中を向けてしまう。
私自身、背中をむけているから居なくなった事に気付かない。
考えた。
ならば、交互にやっていこう。
一つ提示して、今度はこっち。
…。
無理。
無理だよ。
品を落としてしまえば誰も見ない。
誰の興味も惹かない。
どうすればいい?
何故、その時の自分しか見ていないのか。
他の私は見てくれないのか。
八方美人は無理だ。
そうこうしている内、また私の元に一人やってきた。
怖い。
信頼出来なかった。
君もまた、今の私には興味はないんだろう?
君の目に写る私は。
果たしていつの私なんだろうね?
誰かが寄って来るたびに心が踊る。
嬉しい。
誰かが寄って来るたびに心が痛む。
疑心暗鬼。
その内、自分に疑問を持つ。
誰かの期待に答えられない自分こそ悪なのか、と。
相手の求めていない自分すらも肯定してもらおうとする私こそ。
もっとも愚かなんだ。
最初から相手の気に入る物だけ提示するだけでいいのに。
その提示した物を創った自分の「本当」すらも評価してもらおうとしてしまう。
どれだけ話題に乗っかって。
どれだけ自分の内面を話したって。
どれだけ面白い話をしたって。
無駄。
ムダダヨ。
彼らが待ってるのは私じゃない。
私の描く物。
それだけ。
一体何人が、ずっと居てくれるのだろう。
一体何人が本当に見てくれているのだろう。
わからない。
ワカラナイ。
普段はもっと来て欲しいと思い。
来れば、その人を疑い不安になる。
結局。
静かにしているのが答えになる。
…。
あぁ。
こうやって話ている内にも。
また増えて、そしていつか減る。
そう、きっと私はこれからも…。
増え減る人生。