新崎Maskoff日誌

役に立たない話等を書いていく予定です。

2023-01-01から1年間の記事一覧

【小説】Love Lost #11

『ロヴェ、見てくださいアレ!』 「……フッ」 首輪を物ともせず飼い主を引きずる犬のように、強く握られた手が私をリードする。 『色々な人が居ますよ、ほら!』ワァ 「あぁ、そうだね」 『あの人とっても首が長いです!』 『あっ、あの人はとても綺麗な青い肌を…

【小説】Love Lost #10

EP.10【共生共死】 『#"~』 人目も付かぬ、森とは言い難い枯れ木の奥底で。 耳をつんざくようなノイズが走る。 『……♪"~#"~』 エンジンの掛からない電動ノコギリみたく、ゴロゴロと。 爪で奏でる黒板の悲鳴みたく、キーキーと。 暗闇の中で無音に響く長針…

プーカ、プリムが大好きプカ!

プーカは一度、プリムに捨て割られたプカ。 役に立たなかったプーカは、逃げたプカ。 再開した時、その視線が怖くて仕方なかったプカ。 「何で居るの?」その言葉に感情がボロボロに膨れてしまって、爆発してしまったプカ。 でも、プリムはプリキュア達と出…

【小説】Love Lost #9

EP.9【世界アイドル】 「ひゃうッ////」 『……!///』パァ シミの付いた熱気の籠る小部屋。 いつもの如く、ドロドロに溶け合う愛撫に。 今日も、君の下品な絶頂顔を拝む筈だった。 「……ング?///」 『ロヴェ、何ですか今の声』ニヤ 『顔も、とっても可愛い♪』 「……

【小説】Love Lost #8

EP.8【キュートハート】 風化と虫食いで、ほとんど機能していない本をめくる。 『……愛』 この世界には、様々な愛の形があるようだ。 だが、これだけは。 『………暴力……傷跡』 納得できない。 『こんなものが、愛情であってはいけない』 __ ____ ____…

【小説】Love Lost #7

EP.7【優越の液】 「邪魔だ」 『__ッ』 大きな白衣の揺らぎにぶつかり、硬い石床に頭を落とした。 「うじゃうじゃと……気色悪い」 痛くはない。 ワタシには、痛覚がないから。 『………』 でも、何故だろう。 胴体内部から何かを感じた。 油を射していないギア…

【小説】Love Lost #6

EP.6【ミクロジーニアス】 この世界には、3人の神が存在する。 数百年単位の発展を数年で成し得た天才科学者。 "不治の病"という言葉をなくした医学者。 謎に包まれた、世界の魅了者。 世界の根本を変え、世界の根本を支える存在。 人々は彼女達を、【ルート…

【小説】Love Lost #5

EP.5【血濡れの聖職者】 引き裂いた肌色から、血液が流れ出ている。 飛ばした首の断面に、白い骨が垣間見えた。 片腕を落とした人間が、ワタシに命を乞う。 残念ながら、この場所にワタシが求める物はない。 突き刺した際の返り血が、青い布地と白い肌に汚く…

【小説】Love Lost #4

EP.4【温もりは】 思い出は、色褪せない。 それを良い意味として取るのは、あまりに浅はかな考えだろう。 嫌な記憶も、例外ではない。 顔、声、感触、痛さ、苦しさ、悲しみ。 もう二度と思い出したくない筈なのに、いつか脳裏を過ってしまう。 私なら、もち…

【お天気ヤクザ百合夢ss】

【キミの晴れ】 この場所に来たのは、大きな間違いだったのかもしれない。 好奇心によって、私は死んだから。 出会ってしまったんだ、貴女に。 ・ 「えっと、此処……かな?」 スマホと瞳に映る景色を見比べる。 「うん、やっぱり……此処だ」 間違いない。 白い…

【小説】Love Lost #3

EP.3【妬けた紅】 「24……25……26…………」 黄土色をした森。 木々をざわめかせながら吹き込む風は、果たして心地良いのだろうか。 キレイに並ぶ同じ顔。 それらに映る外界の景色は、果たして全員同じように見えているのだろうか。 否。 瞳に入った髪すらも、気付…

【小説】Love Lost #2

EP.2【今宵の君は】 晴天の中聳える石城は、その室内を少量の日光で申し訳程度に照らす。 キーボードと多数のモニターへ立ち向かうのは、たった一人の科学者。 その周りを、パンクな青服の機械少女達が世話しなく行き交っている。 濁った銀髪が4〜50余り、思…

【小説】Love Lost #1

【EP1 再会】 枯れ果てた木々からは、一枚の葉っぱも残っていない。 吹く風が砂ぼこりと、少しの金属切れを宛無く運ぶ荒野。 その中心、まるでふんぞり反るように佇むそれは。 突如現れた、絶壁。 それを城と言うにはあまりにも、品性に欠けていた。 ・ 薄暗…

【RWBY 氷雪帝国ss】Whiterose

「あわっ」トス レンガに鳴る靴音二つ。 突然腕を引かれ、私は潮風と共に氷河を感じた。 「危ないですわよ、ルビー」 「前を見て歩きなさいと、さっき言ったばかりでしょう?」 「あ……えへへ、ごめんワイス」 「つい、よそ見しちゃってて…」 頬をポリポリ、誤…

【DQXss】多忙とコンシェルジュ

プライベートコンシェルジュ。 本来宿屋にて宿屋協会より配備されているコンシェルジュは、様々な冒険者にとってなくてはならない職業。 私達プライベートコンシェルジュは、そんな大勢の冒険者を相手にする通常のコンシェルジュとは違い。 一人の冒険者に仕…